歯を抜かない専門ドクターが解説|矯正治療の大切さ
近年、口元にコンプレックスをもっている方が多くなっているそうです。
テレビなど人前に出る方は特に以前に比べ歯並びを気にするようになっています。
見た目の改善には矯正ににより歯並びを治す方法とセラミックを入れる方法とありますが、セラミックを入れるには自分の天然歯を削れなければならないデメリットがあります。矯正は天然歯を削らずにすることが殆どです。以前は成人になってから矯正される方は少なかったですが、デンタルIQも高くなり出来るだけ健康な歯は削りたくないということから最近は矯正をする患者さんが多くなっています。
それに伴い、矯正治療の方法も多様になっていてできるだけ矯正装置が見えないように歯の裏側(舌側)から矯正したり場合によってはワイヤーを使用せずマウスピースによる矯正をされる患者さんも増えています。
患者さんのほとんどは見た目の改善を目的に矯正治療を希望されますが、矯正は見た目だけでなく噛み合わせも改善させることができます。噛み合わせが悪いことを不正咬合と言いますが、不正咬合により顔の骨格に影響を与えたり、肩こり、頭痛、歯への過大負荷がかかり知覚過敏や歯痛等をもたらしてしまいます。
不正咬合については歯科医院を受診することで知ることができます。見た目は綺麗な歯並びでも不正咬合の場合もあります。オープンバイト(開咬)は上の歯と下の歯を噛み合わせても前歯が開いたままの状態のことを言います。歯は前歯、奥歯で役割が変わります。前歯はものを噛み切るのに使い奥歯はものをすり潰すのに使うということはイメージしやすいと思いますが、ただそれだけではなく、下顎を前に動かしたり、側方に動かす際には前歯でガイドして奥歯が離開することで前歯が奥歯を守る役割をもしてもいるのです。
オープンバイトは前歯が噛み合わないので、奥歯が常に負荷の掛かる状態になってしまいます。年齢の若い頃はあまり症状が出ませんが、年齢を重ねると奥歯が割れてしまったりと歯を失う要因になってしまいます。8020運動は聞いたことがあるでしょうか?日本で満80歳で20本以上の歯を残そうとする運動ですが、オープンバイトの方で8020達成者は0%です。
歯並びを改善することで口腔内の清掃をしやすくなり、虫歯や歯周病の予防にもなりますし、顎運動の規制があればそれを改善し偏った噛み方を修正することで肩こりや頭痛が治るケースもあります。
このように虫歯や歯周病だけでなく噛み合わせからも歯を失うことにつながってしまうため歯を磨いたり、歯石をとったり、メンテナンスを受けるだけが歯を守ることではなく矯正も歯を守る予防になっています。
ただし、矯正装置はどのタイプのものであっても食渣や細菌を歯に停滞させやすいのでブラッシングでのセルフコントロールができていなければ歯並びが綺麗になる前に虫歯や歯周病で歯がボロボロになってしまいます。なので矯正治療の前に虫歯や歯周病を指摘された患者さんはそれらの治療を行ってプラークコントロールができるようになることが重要です。
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