歯を抜かない専門ドクターが解説｜虫歯にならないために

予防歯科とは、虫歯、歯周病になってから治療を行うのではなく、なる前の予防を大切にすることをいいます。
口腔内の健康を積極的に守るため、歯科医院などでの「プロフェッショナルケア」と、歯科医や歯科衛生士の指導に基づいた日々の「セルフケア」の両方から、「予防歯科」を実践していくことが重要です。そのためにも、歯科医院での定期的な検診が大切です。

最近では、「予防歯科」という言葉を少しずつ耳にするようになりましたが、欧米では、すでに歯科医院で定期検診を受けることが習慣となっていて、歯科医や歯科衛生士と共に日々の口腔内の健康づくりを実践しています。そのため、日本人よりもご高齢の方の残存歯数が、はるかに多く、80歳で比較すると、欧米では、約20本歯が残存しているのに対し、日本人は、平均して約12本となっています。

「予防歯科」の意識が高いスウェーデンやアメリカと日本の歯科定期検診の受診率を比較すると、スウェーデン80%以上、アメリカ70％以上なのに対し日本の歯科定期検診受診率は10%未満という結果が出ています。予防歯科の意識が高く定期検診をしっかりと受けている国との差が顕著に表れています。

日本国内では、歯科医院は、痛みや症状がひどくなってから行くところであるという考えが未だ根底にあります。そのような状態から、治療を開始すると、余計に痛みが伴います。

それに加え、治療費や、期間もかさんできます。

歯科医院から足が遠のいてしまうのは、痛み、苦痛を与えられる場所であるとネガティブな考えが蔓延していると考えられます。

しかし、「予防歯科」で早期発見ができることで、痛みはもちろん、治療費用を大きく低減することができます。

欧米では、きちんと口腔内の健康を維持することは、当たり前の習慣であり、幼少期での矯正治療はむしろステータスでもあります。

ある雑誌の調査では、55歳から74歳の男女1000人に対し、「リタイアする前にやっておけばよかったこと」のランキングでは、その第1位となったのが、「歯の定期検診を受けておけばよかった」

となっており、歯を失ってお困りの方や、若い頃に歯で悩まされた方が多数いらっしゃることがわかります。

具体的に、予防歯科の内容については様々ありますが、ご自身で綺麗に歯ブラシができたと思っても、実は磨き残しがあることがよくあります。

個人差はありますが、普通の歯ブラシで歯磨きをするだけでは磨ききれない場所があります。
例えば、歯と歯の間などは歯ブラシだけでしっかりと磨くことはとても難しいと言えるでしょう。
歯間ブラシやデンタルフロスといった補助的な道具の正しい使い方を知らないと、効果も半減してしまいます。
口腔内は、内臓の入り口です。

歯科衛生士によるプロフェッショナルケアや歯磨き指導を受け、「予防歯科」を実践することでご自身の歯で1日でも長く食事を摂りましょう。

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